他の湿地とはここが違う!
立山弥陀ヶ原・大日平の登録湿地の特性とは
2012年7月に、立山弥陀ヶ原・大日平の標高1600~2100m、574haがラムサール条約の登録湿地となりました。国内での登録湿地は、釧路湿原や尾瀬など46か所(2012年8月現在)があり、そのなかでも最も高所にあるのが立山弥陀ヶ原・大日平です。特性は、溶岩台地上に広がり、寒冷な気候と豪雪、豊かな水、そして強い風の影響を受けて成り立っていることです。そこには、池塘(餓鬼の田)約1000個を含む風衝地湿性草原が広がり、実に幻想的な風景が望めます。
地塘とは水たまりの事で、そこに生える稲のような草は、ミヤマホタルイというカヤツリグサ科の植物です。立山信仰では、地獄に落ちた「餓鬼」という亡者が飢えをしのぐために田植えをする場所とされています。また、周囲にはワタスゲの群落やモウセンゴケなどの湿生植物が見られます。
ラムサール条約湿地とは?
1971年、イランのラムサールで「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」が開催され、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が採択されました。これが「ラムサール条約」です。日本では3つの条件(1.国際的に重要な湿地であること(国際的な9つの基準のうちいずれかに該当すること) 2.国の法律(自然公園法、鳥獣保護法など)により、将来にわたって自然環境の保全が図られること 3.地元住民などから登録への賛意が得られること)を満たしている湿地が登録されています。